昨晩は岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒をいただきました。
W(ダブリュー)という銘柄を初めて見たのは、※1.岐阜の地酒に酔う2014というイベントでした。この時はまだ出揃っておらず、山田錦と亀の尾はWのラベルでしたが、愛山が蓬莱でした。翌年の※2.岐阜の地酒に酔う2015では、穀良都、赤磐雄町が加わり、すべてWラベルで揃い、壮観だったのを思い出します。
※3.岐阜の地酒に酔う2016in岐阜の時には、山田錦35プラチナムと、吟風が加わり7種類に。※4.岐阜の地酒に酔う2017in岐阜の時には、越の雫が加わっていました。
特質すべきは価格です。50%精米以上磨かれている純米大吟醸規格、一升瓶の価格で愛山、亀の尾は3,000円、山田錦、穀良都、吟風、越の雫が2,618円、赤磐雄町が2,314円(いずれも税別)です。山田錦のみ45%精米とさらに磨かれていますが、お手頃価格でこれだけの米違いを比べることができるのは嬉しいです。
以前から自宅でじっくり飲み比べしたいと思っていましたが、近場の酒販店さんに取扱いがなく、随分ひっぱられました。高山に旅行に行ったときに4種類購入してきましたので、順に紹介していきます。
W(ダブリュー)についての詳しくは、本サイト由紀の酒-日本酒談義-でも特集しましたので、下記リンクを参照ください。
ここで使用米の穀良都(こくりょうみやこ)について確認しておきます。穀良都は、明治22年に、山口市小鯖の伊藤音市氏が、兵庫県から伝わった在来種の「都」を品種改良を重ねることで生み出しました。昭和初期には西日本一帯で栽培され、昭和天皇即位の際に献穀米になるほどの品種だったそうです。大粒でたんぱく質が少ない為、昭和初期の酒造解説書「清酒製造精義」には「亀の尾」、「山田穂」と同列に取り上げられ、優秀な酒造好適米として評価されていました。稈長が著しく長く倒伏しやすいため、栽培しやすい新品種の登場とともに廃れていきました。
平成8年、山口県独自の酒米への要望が高まり穀良都を選定、復刻。翌年から試験栽培が始まりました。平成9年当時の記録に残っている米の特徴としては、千粒重は25.5gで山田錦よりはやや小粒ながら、心白の発現が良く、タンパク含量が低い。心白が腹側に寄るため、精米時に砕けやすい。醸造特性はやや硬質で五百万石に似ており、すっきりとしたキレの良い酒質となるとのこと。
穀良都を使ったお酒を自宅でじっくりといただくのは、これが初めてなので楽しみです。
開栓は一週間前です。いつもの一合蛇の目猪口に、八分目ほど注ぎます。わずかに黄色く色づき、比較的綺麗に澄んでいます。
上立ち香は、心地よく適度に華やかで、マスカットを思わせるように香ります。いかにも我が家好みの香り。
含むと、開栓直後にあった揮発性のとんがりも落ち着き、適度な甘味が大吟醸らしく前に倣え。手を横に広げることはなく、一定の幅の中ですっきりと楽しませてくれます。イベントで試飲したイメージよりもイイ♪。後半になると微妙に幅を広げ、独特の僅かな苦みを残して収束を向かえます。
もう一度注意深く含む。何だろう?、この幸せそうな表情。都会の洗練された印象とはやや違い、何処か憎めない穏やかな笑顔。おっとりした性格のお酒でした。旨いっす。
あては、チキン南蛮。鶏むね肉を揚げ、タルタルソースがかかっていますが、これが旨いんです!。タルタルソースの酸味が、華やかなお酒にも合うのでお試しあれ。
W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒 データ
醸造元 | 有限会社渡辺酒造店(岐阜県飛騨市古川町) |
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使用酵母 | M310 |
使用米 | 穀良都50%精米 |
日本酒度 | ±0 |
酸度 | 1.2 |
アミノ酸度 | 1.5 |
アルコール度 | 17.3度 |
粕歩合 | 29.2% |
仕込水 | 瀬戸川伏流水(軟水) |
杜氏 | 岡田喜栄治(南部杜氏) |
製造年月 | H29/12 |
容量 | 1.8L |
価格 | 2,618円(税別) |
購入 | 未来堂 |
W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒に関するリンク
由紀の酒-日本酒談義- > 日本酒ガイド > 岐阜県 > W(ダブリュー)有限会社渡辺酒造店
W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒に関するブログ
2014/09/09 ※1.岐阜の地酒に酔う2014in岐阜
2015/08/31 ※2.岐阜の地酒に酔う2015in岐阜
2016/08/29 ※3.岐阜の地酒に酔う2016in岐阜
2017/08/26 ※4.岐阜の地酒に酔う2017in岐阜
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