楯野川（たてのかわ）「純米大吟醸」光明（こうみょう）山田錦1％精米

　昨晩は山形県の楯の川酒造株式会社さんが醸す、楯野川（たてのかわ）「純米大吟醸」光明（こうみょう）山田錦1％精米をいただきました。

　これは3.11東日本大震災から10年の節目に、楯の川酒造さんがプレゼントキャンペーンを実施し、見事に当選したお酒です。まさか当たるとは思っていなかったこともありますが、当たる確率が…などと言うさもしい考えなく、こういうキャンペーン自体が盛り上がって欲しいと思い、由紀の酒のメンバーにもリツイートをお願いしたほどでした。

　当選当時の価格は20万円と消費税。消費税分で波瀬正吉1.8Lが2本買えます。現在の価格は22万円と消費税となっているようです。

　なにごとにもチャレンジをおこたらない楯の川酒造さんが、超精米と言われる一桁精米に取り組み、ついに二か月半もの精米期間を要する1%精米を達成し、純米大吟醸「光明」（こうみょう）を世に送り出します。「挑戦した蔵にしかわからない」という蔵元の言葉にもありますが、我々飲み手も「飲んだものしか語れない」世界。このようなお酒を自分一人で飲むわけにもいかず、またお酒の会をするにもコロナ禍の影響もあり、出荷2021.04から2年超ではありますが、ようやく吟醸番さんMASAさんを我が家に招いて飲むことができました。

楯野川（たてのかわ）「純米大吟醸」光明（こうみょう）山田錦1％精米　レビュー

　開栓は7月8日（土）です。飲んだのは吟醸グラスですが、いつもの一合蛇の目猪口でも色は確認いたしました。ほんの僅かな緑黄ですが、ほとんど着色は見られず、綺麗な澄み方をしています。

　品温は低目の10度くらいから始めました。上立ち香は、穏やかながら心地よく梨を思わせるように香ります。少し時間を置くと開いてきたのか？、パインっぽさも出てきました。熟成によるネガティブな要素はまったくなかったので、ここまで引っ張ってしまったことにはひと安心♪。

　含むと、……、綺麗なのは間違いないのですが、意外とも思えるほどの甘味、旨味。もしやこの味乗りは出荷されてから2年の熟成によるものか？。酸の押し出しはほとんどなく、抵抗感なくすべり込んだ後は、ドライとも思える切れの良さ。間違いなく素晴らしい酒です。1%のお米のサンプルがついていますが、これをここまで綺麗に磨くこと、これを洗米すること、蒸すこと、製麹、どれをとっても素晴らしい技術です。粕歩合がどれくらいなのかも気になるところ。

　もう一度注意深く含む。これは！生牡蠣のコストパフォーマンスだ。価格の割に味わえる時間が少ないと言う意味で、つるっと入って来て最高の充足感で堪能させてくれるが、須臾（しゅゆ）にして可憐。旨いっす。

　精米歩合競争に事実上終止符を打ってくれた意義もさることながら、ここまでのお酒に仕上げたことに感銘を受けます。飲み手としては、仮に原価で飲ませてくれる飲食店さんがあったとしても、半合（90ml）で30,250円。よほどのお祝いでもないかぎり飲むことは叶わないでしょう。貴重な体験をさせてくれた、楯の川酒造さんに感謝♪。

　この日合わせたのは、一宮では有名なノリタケトウフ工房の紫蘇豆腐と照潮豆腐。岩塩を少々振りかけただけでいただきました。紫蘇豆腐は「紫蘇の風味をつけるための紫蘇でなく、豆の風味を活かすための紫蘇だ」と吟醸番さんも絶賛してくれました。豆腐と光明。極限の優しい甘味どうしのコラボレーション。お試しあれ。

　また、調理をしていないからお値打ちだったツバスを、吟醸番さんに捌いてもらいました。ハラワタの処理って、あんなに気を使ってするものなんですね～。この刺身もまた旨い！。ツバスなのでカマは小さめですが、これを焼いていただきました。こんなにほわっとした食感のカマは初めてです。これも最高に美味しかったです。

楯野川（たてのかわ）「純米大吟醸」光明（こうみょう）山田錦1％精米　データ

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