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【簡単】日本酒とつまみの相性を科学する【レシピ】

 日本酒とつまみの相性を科学する題して、日本酒に良く合う代表的なつまみを紹介いたします。科学すると言う以上は、良く合うとされる根拠も踏まえてお伝えしていきます。しかし嗜好品であることを考えれば、合う合わないも人それぞれとなりますので、「それは違うんじゃね?」なんてのもあることでしょう。そんな場合はコメントいただければ幸いです。

 この後、すぐにでも飲みたくなることが想定されます。まだ午前中で、午後も仕事が・・・と言う方、この後運転しなくてはと言う方は「はてなブックマーク」しておき、飲む準備が整ってから読み進めることをお勧めします。広告を挟んで、本編に突入いたします。

 ちなみにこれは東高円寺の居酒屋「天★」(てんせい)さんを営む早坂登志男さんが書かれた本で、比較的簡単に入手できる食材で、日本酒がとまらなくなる絶品つまみを紹介されています。

 酒とつまみの準備はいいですね?、それでは・・・

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日本酒と食事(つまみ)を合わせる

 はじめに、日本には口中調味と言う文化があります。これは「ごはん」と「おかず」を、同時に口の中で味わうことです。しかし、酒とつまみを合わせるとは言いますが、筆者は口の中に物が残っている状態で酒を流し込むようなことはしません・・・。多分やってないと思う。やってないんじゃないかな?。ま、ちょっと覚悟はしておけ。

 “人口が減った時には文化が生まれる”なんて聞いたことがありますが、酒とつまみの口中調味も文化となった時には、大手を振って外でもやってみたいと思います。「内ではやっとるんかい!」

日本酒と食事(つまみ)の香り

 “従に徹している酒はつまみに合う”なんて言われます。香りが高く「俺が俺が」とアピールしてくるお酒はつまみに合わせにくいので、食中には向きません。と言うか難しいので、そう言ったお酒は食前の最初の一杯となります。筆者はそんな酒も大好きですが・・・

 食事(つまみ)にも香りはあります。食材自身の香り、焼くことで出る香り、発酵の香り、燻製の香り。そんな香りを活かしつつ、程よい程度の酒の香りを楽しみつつ飲む。たまりません。

 酒の香りは芳香族と言われ、動物はこの香りを良い香りと判断します。まぁ、体内に取り込んだら、さあ大変ってことにはなるのですが・・・。肝臓の解毒作業を助けるためにも、アミノ酸をしっかり摂取することが大切です。つまみをしっかり食っとけ!ってことですね。和らぎ水を、多めに飲むこともお忘れなく。

日本酒と食事(つまみ)の酸・アミノ酸(うま味)

 旨いものと飲んでいるときは、深く考えずに楽しみますが、悪酔いしない飲み方というのは存在します。やわらぎ水を多めに飲むのも大切ですが、皆さんは「ウコンの力」とか飲んだりしません?。あれは所謂、アミノ酸です。タウリン3000mg配合!なんてのもアミノ酸です。アミノ酸すなわち、消化酵素で分解される前はタンパク質です。高タンパクな美味しい食と組み合わせて、日本酒を末永く楽しみましょう。

 日本酒に含まれる有機酸の主要成分には、乳酸・コハク酸・リンゴ酸があります。これらの酸が、つまみの酸との相性を決めていると言えます。コハク酸どうしの相性として貝類があります。焼き牡蠣と田酒の純米を合わせる♪。最高のひと時です。柚子、すだちなどの柑橘系はクエン酸を含みます。これらの酸が日本酒のリンゴ酸をまぎらせ甘味が増す、と言うパターンもあります。酢酸も同様で、酢のものは酒を甘く感じさせてくれます。

 つまみに含まれるうま味は、アミノ酸系の昆布だしから出るグルタミン酸、核酸系の鰹だしから出るイノシン酸や椎茸から出るグアニル酸が代表的です。アミノ酸系のうま味に核酸系のうま味を足すことで、相乗効果があるとも言われています。ここに、日本酒の旨みが加わることになります。至福です。

日本酒と食事(つまみ)の組み合わせ

 その土地の代表的な物と地酒は良く合うといいます。産地的な日本酒の特徴は、それぞれの県酵母が優れてきており、一概には言えなくなってしまったが、尾張を境に西と東でわかれていました。西の酒は比較的濃く、東は綺麗と言った感じです。筆者が住んでいる愛知県はその中間に位置し、濃い尾張酒と綺麗な三河酒と言う印象です。尾張は赤味噌の文化があり、土手煮には義侠や長珍の燗を合わせると言った感じです。

 とは言え、一般家庭ではなかなか酒に合わせて、その土地の物をお取り寄せなんてできないので、一般的なスーパーで購入できるものを簡単に調理し、酒に合わせていきます。

酒塩枝豆(さかしおえだまめ)

酒塩枝豆

 スーパーなどで売っている料理酒も、原材料に塩と書かれていたら酒塩ですが、今回はせっかくなんで作ってみましょう。

 日本酒を中華鍋に大匙2杯、塩少々を加え温めます。これで酒塩は出来上がりです。こだわるのであれば日本酒は酸度、アミノ酸度の高いものをチョイスします。塩は凝りだすと高くつきますが、いろいろ調べると面白いです。

 枝豆ですが、簡単ってことでスーパーで売っている冷凍茶豆300gで200円を使います。これを解凍して剥き、出来たてのアツアツ酒塩にぶち込み、冷めるまで浸しておきます。冷めたら枝豆だけを残し酒塩は他へ回します。枝豆を中華鍋で焼いて出来上がりです。

枝豆:150g(可食部75g)
日本酒:大匙2杯
塩:少々

エネルギー:100.5kcal
タンパク質:8.6g
炭水化物:6.7g
脂質:4.6g
塩分:0.4g


田光(たびか)「純米吟醸」雄町無濾過中取り生

 なかなかの高タンパク食材ですよね。そしてそのうま味成分はグルタミン酸で、思ったより強めです。そんな枝豆に合うのは、腰のある酒。

田光(たびか)「純米吟醸」雄町無濾過中取り生

 雄町由来か?田光のうま辛の酸が、枝豆の旨みと絶妙にマッチします。


なめろう

なめろう

 材料は、鯵、鯵の刺身についていた紫蘇と長ねぎと合わせ味噌。合わせて粘りが出るまでたたくだけ!。お好みで醤油をひとさししても良いです。味噌の持つ乳酸で青み魚の持つ臭みを消しています。

 これが酒に合わないわけがない。下記のデータを見ていただくとわかりますが、なかなかの高タンパク料理。すなわちアミノ酸(うま味)です。


鯵のお刺身:約180g
青紫蘇:2枚
青ネギ:少々
合わせ味噌:大匙1/2

エネルギー:67kcal
タンパク質:10.1g
炭水化物:2.0g
脂質:1.8g
塩分:0.7g


房島屋(ぼうじまや)「純米」火入れ熟成酒

 房総半島沿岸部の郷土料理ということで、東魁盛といきたいところだが、他にもこんな酒が合う。同じ房つながりで、

房島屋(ぼうじまや)「純米」火入れ熟成酒

 鯵のもつ旨み成分は、グリシン、アラニン、グルタミン酸。房つながりってのは多少強引だが、房島屋の持つ独特の酸が燗をすることで絶妙になじみます。


鮭とば

鮭とばの漬け込み

 鮭とば自体が少し高いのですが、こいつがなかなか旨いんです。適当な大きさにキッチンバサミで切って、酒に二晩漬けこみます。んで終了。簡単でしょ?。

 上の写真がタッパーで鮭とばを酒に漬け込んでいるところで、下の写真が程よく戻って柔らかくなった鮭とばです。鮭とば自体に塩分が結構あるが、酒に流れ出て丁度良い塩梅になります。

 鮭の旨み成分は、グルタミン酸やアスパラギン酸です。日本酒の特にアミノ酸度が高いものは、同じグルタミン酸ということで合います。相乗高価を狙う場合はコハク酸との相性となります。


鮭とば秘伝玉返し

鮭とば:一人分約30g
日本酒:大匙3杯

エネルギー:98.4kcal(30g当たり)
タンパク質:5.9g
炭水化物:0.6g
脂質:2.2g
塩分:0.3g


〆張鶴(しめはりつる)「純米吟醸」純

 酸度・アミノ酸度がそこそこある酒との相性がいいことになります。鮭とばは冬の北海道・東北地方・新潟県(村上市)の風物詩となっているとのこと。新潟県の村上市と言えば〆張鶴ですよね。新潟の酒と言うと淡麗という印象が強いが、この〆張鶴はうまみ十分です。

〆張鶴(しめはりつる)「純米吟醸」純

 もったない!と思われるかもしれませんが、鮭とばを漬け込む時も同じお酒にすると、さらなる同調、補完が狙えます。つまみにも愛情を注ぎます。〆張鶴のミネラル感のある程よい酸が、鮭とばのいい塩梅とマッチします。


焼き椎茸

焼き椎茸

 椎茸は傘が閉じていて肉厚のものを選んでください。焼き方は、石突きを落としたら、柄の部分を上に、かさを下向きにして鉄板か網に置きます。

 少し焼いたら45度くるっと回し、また少し焼いたら45度回しを繰り返します。こうして片面だけ焼くことで旨みが落ちません。一周するころには、かさの裏側にうっすらと汗をかいてきます。ここが食べごろ♪、焼きすぎないのがコツです。塩を振っておいてもよし、醤油をひとさししてもよし。


椎茸:大2本50g
塩:少々、または醤油:少々

エネルギー:9kcal
タンパク質:1.5g
炭水化物:2.5g
脂質:0.2g
塩分:0.1g


栗駒山(くりこまやま)「特別純米」

 先述の通り、椎茸にはグアニル酸といううま味成分があります。酒に含まれる主な酸の、乳酸やコハク酸との相乗効果が期待できます。焼き椎茸自体が旨いので、酒は深く考えることなく、ゆるゆると何処までも飲んでいけそうなのがお勧めってことで・・・

栗駒山(くりこまやま)「特別純米」

 他にもいろいろ合わせることができるのは間違いないのですが、何かが突出していない栗駒山はベストマッチです。


かわはぎ(肝醤油)

かわはぎ(肝醤油)

 簡単、レシピと言っておいて、かわはぎ(肝醤油)は反則だろうと言われれば、その通りかもしれません。スーパーで肝がついたカワハギの刺身があれば、買ってくるだけ。付いている肝を醤油に溶いて食べるだけです。

 肝は細かい網などで裏ごしすると、醤油となじませやすいです。心配な方は肝を湯通ししてからでもいいでしょう。


カワハギ:一尾約23cm
醤油:少々

エネルギー:71.6kcal(可食部85g醤油含む)
タンパク質:16.4g
炭水化物:0.5g
脂質:0.1g
塩分:1.0g


久礼(くれ)「特別純米」手詰め直汲み

 ビタミン群、タンパク質が豊富で脂質が少ないことからダイエッターには嬉しいカワハギ。また癖となる脂質が少ないのは、比較的どんな日本酒にも合わせやすいと言えます。包容力のある濃いお酒は当たり前に合うが、ここは綺麗なお酒を合わせたいところ。産地は四国・九州などとなっているので、久礼でしょう!

久礼(くれ)「特別純米」手詰め直汲み

 久礼の綺麗な酒質がカワハギを活かしてくれます。


鯖燻製

鯖燻製

 出来あいの物を買ってきて切って並べるだけ、簡単です。「何処がレシピや!」と言う方のために、一応レシピも載せておきます。

 塩鯖を酒と味醂に漬け込み1時間冷蔵庫で寝かせます。ガステーブルの魚焼きにアルミホイルを敷き、燻製チップとザラメ(砂糖)を乗せます。焼き網を置き、仕込んだ鯖を乗せたらバーナーでチップに火をつけ蓋をします。ガスコンロの上に乗せ超弱火にしてチップの煙を維持します。焼き網から熱が伝わり焼くことにもなるので、片面20分燻したら裏返します。焼き具合はお好みで。


鯖:一尾23cm半身約100g(可食部60g)
酒:少々
味醂:少々

エネルギー:99.2kcal
タンパク質:12.4g
炭水化物:0.2g
脂質:3.7g
塩分:0.3g


宗玄(そうげん)「特別純米」雄町無濾過生原酒

 鯖は味噌も捨てがたいのですが、この燻製が香りと言い旨みといい、驚異的に酒が進むので紹介いたしました。

宗玄(そうげん)「特別純米」雄町無濾過生原酒

 このつまみにもいろいろな酒を合わせられそうだが、じっくりと腰を据え落ち着いて飲んでいける宗玄が、鯖の旨みをさらなる領域へと導きます。


亀の手(塩ゆで)

亀の手

 話題の亀の手です。まだスーパーなどで見ることはあまりありませんが、全国に生息しておりお取り寄せもできます。300gで700円ほどです。

 まずは良く洗います。300gに対して1Lくらいの水、塩を小匙1杯。ここから茹で上げていきます。沸騰したら弱火にし7分。途中アクとりをこまめに行う。


亀の手:300g(可食部100g)
水:1L
塩:小匙1杯

エネルギー:79.7kcal
タンパク質:17.7g
炭水化物:0.2g
脂質:0.5g
塩分:0.7g


鷹勇(たかいさみ)「特別純米」

 旨味成分としてのアデニル酸やコハク酸を含むので、酒に合わないわけがありません。産地は全国のようですが、調べたところ鳥取の特産です!とうたっているところがあったので、それに乗っかります。鳥取で甲殻類に合う酒はズバリ!、鷹勇です。

鷹勇(たかいさみ)「特別純米」

 毛蟹や花咲ガニを思わせるような濃厚な旨み。これを鷹勇の人肌燗でゆるゆると。剥いては食べ、剥いては食べ。そして酒がしみわたる。酒よりも亀の手の方が進むかもしれませんが・・・。


 挙げだすとキリがないので、ちょうどこれからの季節にもぴったりの食材を中心に紹介してみました。カワハギに関しては、身の締まる夏場が旬とか、肝が膨れる冬場が旬とか言われますが、いずれの季節でも旨いものは旨い!ってことで。

 鮎の塩焼きも入れたかった!。しかし、どう考えても鮎は、本職に焼いてもらった方が旨いんですよね~。ちなみに鮎の塩焼きに合うのは「房島屋」です!。異論のある方はぜひコメントを♪。

 また、酒のつまみと言ったらこれでしょう!って情報も大歓迎です。ついでにレシピも教えて頂ければ、追記いたします。

 挙げだすとキリがないのは、日本酒の方も同様です。ついでと言ってはなんですが、2,500円までで購入可能な日本酒ランキングも挙げておきます。どうしてもランキングの場合は大吟醸のように飲みやすいけどお値打ちなお酒が上位に来てしまうので、今回はこのランキングは記事のメインにしませんでした。つまみとの相性と言う意味では、参考程度にしてください。

 書いていて強烈に飲みたくなってきた!。今日は飲むぞ~。

日本酒とつまみの相性を科学するに関するリンク

価格別日本酒人気ランキング

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