昨晩は岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」高島雄町生酛無濾過生原酒をいただきました。
今期増えたWシリーズ。蔵を見学させていただいた時に、北場杜氏にお聞きしていた生酛での仕込みが「高島雄町」、またH30BYからと聞いていた「ひだほまれ」の二種類です。順に紹介していくシリーズ第二弾は、高島雄町です。これらのお酒は、渡辺酒造店さんに直接送っていただきました。感謝♪。
ラベルには純米としか書かれていませんが、特定名称でも検索できるようにするため、50%精米は便宜上「純米大吟醸」とさせていただきます。米の価格を考えると、他のダブリュー同様、非常にお値打ちと言えます。
ここで「高島雄町」についておさらいしておきます。各種文献にも原生種とある通り、雄町に親はなく、純血とされています。安政6年(1859年)に備前国上道郡高島村雄町(現岡山市中区雄町)の篤農家、岸本甚造氏がひと際背の高いこの種を発見。素晴らしい米でありながら、その背の高さゆえ倒伏しやすく、収量も少ないなど栽培が難しいことから普及が進まず、幻の米と呼ばれるようになりました。明治41年に岡山県の奨励品種に採用。
千粒重は26.1gと大粒で、心白が発現しやすい。心白部分が粗であるため、水分を吸いやすく壊れやすい。蒸米で外硬内軟なものになりやすく、麹菌の菌糸が中に伸びやすいため、つきはぜ型の麹ができる。酒母、もろみでの糖化も良い。
同じ岡山県産雄町の中でも、特にこの生まれ故郷と言える高島地区の雄町を高島雄町と呼んでいるようです。
これまで飲んできた「雄町」のお酒では、現在滋賀県の上原酒造にて「不老泉」を醸している横坂杜氏が過去に岡山にて醸したお酒で、歓びの泉「大吟醸」極致中汲み雄町斗瓶選びが、勝手ながら最高と思っています。もちろんそのお酒に迫る勢いのお酒も経験できましたが、明らかに超えるお酒にはまだ出会えていません。
開栓は二週間前です。いつもの一合蛇の目猪口に、八分目ほど注ぎます。無濾過生原酒としては比較的綺麗に澄んでおり、色もほとんどついていません。
上立ち香は、心地よく穏やかにメロンを思わせるように香ります。ダブリューシリーズの中では比較的穏やかですが、バランスの良い雰囲気で好感が持てます。
含むと、う・う・・うまい。香りから繋がるかのようにシリーズとしては甘味も抑えめで、代わりに旨味があります。生酛の造りから想定していたような複雑な味わいではなく、ストレートに表現してくる旨味。酸が突出するわけではないので、上品でバランスの良いエレガントな旨味。後半はあれほど堪能できた膨らみのある旨味が、一瞬の隙をついたかのように消えています。あ、あれ?っともう一口。
もう一度注意深く含む。ダブリューシリーズの中にあっては派手なほうではないので、飲み比べをすると埋もれるか?。いや、このスゴミ!、間違いなく飲んだらわかっていただけるであろう存在感。これは、ノスタルジーを思わせながらも、機能美をも見せる上皿天秤だ。この存在感!。自分の中の「雄町の歴史」にまた一つ思い出が刻まれました。旨いっす。
上皿天秤 Weighting scale 2019-06-20
SONY α7Ⅲ Carl Zeiss Makro-Planar T* 2.8/60 C MMJ
f/4、1/4sec、ISO-100、WB-4000K
この日合わせたのは、すだち冷やしうどんと天ぷら。海老天はオーブントースターで少々煙が出るまで温めなおしたものですが、これが絶妙に旨かった。サクっとした衣、プリっとした身の食感、そして独特の旨味が、ダブリューの凄みをも感じさせる旨味とマッチしていました。お試しあれ。
コストパフォーマンス部門 由紀の酒 Best of the year 2019 金賞受賞
W(ダブリュー)「純米大吟醸」高島雄町生酛無濾過生原酒 データ
醸造元 | 有限会社渡辺酒造店(岐阜県飛騨市古川町) |
---|---|
使用酵母 | W01酵母 |
使用米 | 岡山県高島地区雄町50%精米 |
日本酒度 | -3 |
酸度 | 2.2 |
アミノ酸度 | - |
アルコール度 | 17.5度 |
仕込水 | 瀬戸川伏流水(軟水) |
杜氏 | 北場広治(南部杜氏) |
製造年月 | H31/04 |
容量 | 720ml |
価格 | 1,500円(税別) |
購入 | 有限会社渡辺酒造店 |
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W(ダブリュー)「純米大吟醸」高島雄町生酛無濾過生原酒に関するブログ
2019/07/13 W(ダブリュー)「純米大吟醸」ひだほまれ無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」ひだほまれ無濾過生原酒を飲んだ感想。ひとつの方向から差し込むやわらかい光を受けた被写体は美しい陰影を作り出し、キリリとした目を見せる。後方では僅かに溶け、主題の「聞かざる」を引き立たせる。確かな存在感。
2018/06/20 W(ダブリュー)「純米大吟醸」吟風無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」吟風無濾過生原酒を飲んだ感想。何だろう?、このほんわかするような甘味。もしやこれは!、露光中にあえてピントをはずしているのか?。フレアーがかったソフトフォーカス。何ともキュート。
2018/06/14 W(ダブリュー)「純米大吟醸」亀の尾無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」亀の尾無濾過生原酒を飲んだ感想。あの甘味をもう少し堪能させてくれと懇願するも、ちょい出しするだけで煙に巻き、捕まえてごらんなさいっと、霞みの向こうへ消えていく。そしてもう一口…、これがエンドレス。
2018/06/05 W(ダブリュー)「純米大吟醸」強力無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」強力無濾過生原酒を飲んだ感想。持ち前の酸を感じさせない部分も、高貴な印象に華を添えています。後半はシリーズの中でも特に短く、これまた須臾(しゅゆ)にして可憐。
2018/05/30 W(ダブリュー)「純米大吟醸」赤磐雄町無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」赤磐雄町無濾過生原酒を飲んだ感想。この穏やかな時の流れはまるで砂時計。3分と言う時間は想像していたよりはやく、ラスト5秒のなくなり方は秀逸。
2018/05/26 W(ダブリュー)「純米大吟醸」特等山田錦35プラチナム
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」特等山田錦35プラチナムを飲んだ感想。全てが体に心地よい!、それはまるで川沿いの温泉地に出かけ、解放感のあるバルコニーから新緑を望み、せせらぎの音を聞きながら、なんの不満もない気温と湿度につつまれていたら、おもわずうとうとしてしまったほど心地よい。
2018/05/25 W(ダブリュー)「純米大吟醸」愛山無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」愛山無濾過生原酒を飲んだ感想。柔らかな膨らみ、押すと少し跳ね返すような弾力ある甘味。あっ、昔感じたことあるなぁ、この座ってしまうと立ち上がれなくなる、人をダメにするビーズクッション。
2018/02/24 W(ダブリュー)「純米大吟醸」Underground(アンダーグラウンド)
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」Underground(アンダーグラウンド)を飲んだ感想。こ、これは、BG~身辺警護人~でも、その美貌とドSキャラを遺憾なく発揮している「菜々緒」さんだ。芯はしっかりしていながらも、実は結構性格が良さそうなところがぴったりきます。
2018/02/21 W(ダブリュー)「純米大吟醸」山田錦無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」山田錦無濾過生原酒を飲んだ感想。テレビの前であぐらをかいていると、幼い娘がちょこんとそこに乗ってくる。かぶりつきたくなるが我慢していると、何かを見つけたのか?、ハイハイして去っていく。残された温もり。
2018/02/13 W(ダブリュー)「純米大吟醸」越の雫(こしのしずく)無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」越の雫(こしのしずく)無濾過生原酒を飲んだ感想。温度を常温近くまで上げてみました。少し幅を広げたか?、わかりやすい甘味がポワンっと可愛らしく膨らんでいます。冷酒の時とは打って変わって、甘味と酸味のバランスがいかにも今風。
2018/02/09 W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒
岐阜県の有限会社渡辺酒造店さんが醸す、W(ダブリュー)「純米大吟醸」穀良都(こくりょうみやこ)無濾過生原酒を飲んだ感想。何だろう?、この幸せそうな表情。都会の洗練された印象とはやや違い、何処か憎めない穏やかな笑顔。おっとりした性格のお酒でした。
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