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日本酒の飲み方

フルーティーな日本酒

 今までいろいろな日本酒を飲んできましたが、このブログにUPしているのはその中でも、自宅でじっくりと味わったものの覚書です。その日の体調でも感じ方は変わりますが、できる限り同じ条件で味わい比較したいと考えています。では、どのような飲み方をしているのか?ちょうどそんなお問い合わせもいただきましたので紹介いたします。

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日本酒の飲み方、楽しみ方

 我々飲み手はプロではありません。そのお酒の欠点をわざわざ見つける必要もありません。どうせなら購入してきた全てのお酒を、より美味しく楽しみたいものです。

 いかに舌をバカにするかと言うことも重要となります。酢の物を食べた後に日本酒を飲んだら、甘く感じたことはありませんか?。日本酒をどう感じるかは、食との相性や時間軸なども大きく影響してきます。

 しかし、ここでは食との相性を探る前に、飲むまでのルーティン(手順)でも日本酒の感じ方が大きく変わることを紹介いたします。食との相性に関しては、下部のリンク、※1.【簡単】日本酒とつまみの相性を科学する【レシピ】をご参照ください。

日本酒の保存

 日本酒の保存は冷暗所が望ましいとなっています。光の当たらない涼しい場所で保管しましょう。筆者の場合、購入してきた日本酒はまずは冷蔵庫で休ませます。移動したことでお酒が暴れており、味わいにも変化があると言われています。この変化をあえて楽しもうと言うのが、開栓してヘッドスペースに空気を入れてから瓶をシャカシャカ振り、存分に空気に触れさせてから飲む方法です。自分はめったなことではやりませんが…。極力同じ条件で、また開栓後の徐々に訪れる変化までも楽しみたいと言う理由があります。

 しかし一度ブログに書いちまえば後は自由です。シャカシャカ振るまではしませんが、デキャンタをしてから飲んだ方が明らかに旨いと感じる酒も多いのでいろいろ試したりします。素晴らしい変化があれば、ブログにも追記することになります。ちなみにどのような銘柄が該当するかと言うと、醴泉、醸し人九平次、長珍、等です。ほんの一例ではありますが、居酒屋で残りわずかとなった九平次を見つけた時は小躍りします。「瓶底九平次」と呼んでいます。

 日本酒は冷蔵庫の野菜室を低めに設定して保存しております。冷蔵室と野菜室は別に温度設定できるのですが、なぜか?以前低く設定しすぎて冷蔵室の方の生卵を凍らせてしまったことがありました。5度のつもりがマイナスになってしまっていたようです。今は仮に火落ち菌が生息していたとしても、活動を停止すると言われている10度以下の温度設定にしています。我が家では、この野菜室のことを蔵と呼んでいます。

 出してきた直後は、やや冷えすぎの温度となります。ここからゆるゆると飲んでいるうちに、温度が自然に上がります。そのお酒のもっとも旨いと思える温度帯を探してみるのも楽しいです。

酒器による違い

shuki 

 日本酒は酒器により感じ方が大きく変わります。自分は一合入る蛇の目猪口(じゃのめちょこ)のもっとも厚さが薄いものを使用しています。この薄さはお酒が流れ込んで来た時に、舌のどの部分に当たるかが影響しますので重要です。

 またこの蛇の目猪口は色の冴えやにごり加減を見るのにも適しています。写真では色温度の関係もあり判りにくいですが、うっすらと黄色いのか、照りはどうか、青冴えしているのかを見たりします。

 このお猪口に7分目のお酒を注ぎます。いつもこの量でヘッドスペースを極力一定にし、香りの強さやどんな系統の香りなのかを楽しんでいます。半分くらいまで楽しんだところでスワリングし、ヘッドスペースが広くなったところでもう一度香りを確かめます。

 もう少しでどんな香りなのかの表現が見つかりそう・・・でも見つからない。。。なんて時は、シャンパングラスに半分くらいまで注ぎ直し、香りを確かめたりします。

 ブログを書いた後で、香りを強めに感じながら飲んだ方が旨い♪と思ったお酒などは、後日もシャンパングラスで楽しむことになります。

 燗をつけたりした時は、香りが逃げるタイプの平皿の形をした酒器にしています。アルコールが気化した成分が、いきなり鼻に飛び込んでくるのを防ぐ意味もあります。あの、「もわっ」がいいんじゃない!と感じる方もいるかもしれませんので好き好きです。お気に入りのぐい呑みで飲むのも、趣があります。

 燗をするときは写真のような酒器で湯煎をします。内側の容器は300ml入るタイプのものです。外側の容器に給湯器から出る熱めの湯を入れ温めるのですが、これがなかなかの優れものです。自分はほとんど人肌燗までしかしないのですが、熱くなりすぎないという利点があります。飛びきり燗にしたい方には向かないかもしれません。

 この人肌燗、飛びきり燗については、この後の章で・・・。


温度による違い

 日本酒は温度によって、その表情を様々に変化させます。もっともそのお酒にあった温度帯を見つけ出すのも楽しいですよね。この温度ですが、いろいろな呼び方があります。

煮酒(にざけ)

 ぐらぐらと沸騰させる直前くらいまでのお酒(65~80度)を煮酒(にざけ)と言います。三夏の季語にもなっており、貯蔵するための火入れの意味があります。またこの温度帯は骨酒や甲羅酒などに使われます。これ以上熱くしてしまうとお酒の風味がなくなってしまい、またこれより低いと魚の生臭さが際立つ場合があります。

熱燗(あつかん)

 さらに細かく、55度前後を飛びきり燗、50度前後を熱燗、45度前後を上燗と言います。まるでその温かさが血管にしみ込んでくるのが判るかのような時に幸せになれます。日本酒の香りや味わいと言うよりは、まさにその温度を楽しむかのように感じています。

ぬる燗(ぬるかん)

 40度前後をぬる燗、35度前後を人肌燗、30度前後を日向燗と言います。これより温度が上がると独特の揮発感が出るので、筆者はここまでの温度で楽しむことが多いです。何をもって燗上がりと言うかも様々ですが、筆者にとっては甘味・旨みが増したり、スベリが良くなったりした時に幸せになれます。

常温(じょうおん)冷や

 20度~25度前後と言われています。筆者が飲み始める温度としてはもっとも可能性の低い温度帯です。古酒でもない限りは火入れ酒でも冷蔵保管をしているので、これより冷えた状態から飲みはじめます。しかし、この温度帯になって初めて香りが開けたり、心地よい旨みを感じたりするお酒も多いので、非常に興味深い温度帯です。そのように感じられるお酒は、次回から小瓶に移しかえ、飲む前にあらかじめ常温放置しておきタイミングを合わせる必要があります。

冷酒(れいしゅ)

 15度前後を涼冷え、10度前後を花冷え、5度前後を雪冷えと言います。

 雪冷えの状態は香りも開いていないことが多く味わいも感じにくいのですが、すっきりと飲むにはいいので、活性生酒はこの温度が適していると言われています。活性生酒はこの温度で保管しておかないと、瓶内二次発酵が進み破裂の恐れや、開栓の時に吹き出しやすいと言う理由もあります。

 花冷えや涼冷えの状態で飲んだ時に、自分にとってのネガティブな味わいがあった時にも、雪冷えが適していると言えます。また個人的には日本酒度がマイナスでアルコール度が低め、酸度が高めのお酒なども、この温度が適している場合が多いと感じます。ただし、最近出始めた低アルコール原酒などは、いろいろな温度帯が非常に楽しいので、この限りではありません。

 花冷えは一般的に冷酒を飲みはじめる温度帯と言われています。居酒屋さん等では、冷蔵庫の温度設定がどうなっているかにもよります。この温度から飲みはじめ、香りや味わいの広がりをもう少し感じたい時には、両手の平で猪口を包み込み、少しずつ温度を上げていきます。

 涼冷えは常温に近い温度ですが、筆者が最初からこの温度で飲みはじめようと決めているお酒があります。それは出品酒のようなとびっきりのお酒です。数値にこだわるつもりはありませんが、特にアミノ酸度が1.0未満のお酒はここから温度を上げていく飲み方をしたほうが幸せになれます。冷えすぎていると、何を飲んだかわからないくらい綺麗ってだけで終わってしまうことも多いです。時にはそんな飲み方もありとは思いますが・・・。

みぞれ酒

 アルコール度が比較的高い日本酒は、凝固点が-7~-10℃くらいですので簡単には凍りません(原酒20度の場合の凝固点は-11℃)。瓶にタオルを巻くなどして冷凍庫に入れ、ゆっくり均一に冷却し※1過冷却の状態にもっていきます。これをそっと取り出し、グラスに注ぐと液体が見る見るシャーベット状に変化していきます。夏にはそんな楽しみ方もあります。冷凍庫で放置しすぎてしまっても少し解凍するとシャーベット状で楽しめます。※2千代の亀(ちよのかめ)の銀河鉄道はそのような飲み方を推薦している、ちょっと変わったお酒です。

合わせる食事による違い

 ブログに書くときは、何も食べずに飲んでいることが多いのですが、もちろん普段はいろいろな食事と合わせます。と言うよりは、飲むお酒が決まっていて、何を合わせるか考えながら魚屋さんを物色している時が楽しかったりします。綺麗な吟醸酒を飲むことが多い筆者は、白身の刺身や貝類が大好きです。カワハギのお造りに肝が添えてあったときなどは小躍りしてしまいます。

 また筆者の住んでいる中部地方は赤味噌の文化もあり、これに合わせるお酒となると濃い目のお酒が要求されたりします。そんな和食との相性をいろいろ探るのもまた一つの楽しみですが、こんなお酒にはこんな肴が良かったと言い始めると、倍以上の記事になりそうなのでまたの機会に・・・。

関連するリンク

※1.【簡単】日本酒とつまみの相性を科学する【レシピ】

変態と呼ばれる激ウマ日本酒

※1 日本ガイシ > 注いだ水が一瞬で氷に!?

※2 千代の亀(ちよのかめ)「純米大吟醸」銀河鉄道

 この記事は2014年8月23日に一度アップしたものですが、2014年11月にバックアップがいいかげんな状態で全てのデータを飛ばしてしまったため、思い出しながら復活させました。当時の記事を読まれた方には、似たような部分もあるかとは思いますがご笑覧ください。

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